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日々のつれづれ

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2011.11.08 Tuesday

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死の泉 なれずもの ベンジャミンバトン数奇な人生

2011.01.22 Saturday 00:00

 ■皆川博子「死の泉」
第2次世界大戦下のドイツ。政府の経営する孤児院で出産を待つマルガレーテはナチスの医師に見初められ結婚し、美声の孤児の継母になるが…
面白かったです。久々に読んだ耽美小説!接合された双子や、ナチスの地下通路、カストラートなどなど、ダークで美しいテイストが満載。しかし長かった。迫力の有る筆力で一気に読めます。前半は日記体小説。
本編が充分面白かったので、ラストのアレは蛇足でしかないと思った。
あと人死にすぎじゃないかな。面白かったけど耽美小説って何故だか悲劇的なので、基本的に苦手です。

■中島らも「なれずもの」
作者が亡くなる直前まで続けられていた対談集の書籍化。
対談相手は安部譲二、本庄まなみ(ただ好きなだけだろ!)などなど。本庄まなみ意外は皆ひとくせあるツワモノばかりで面白かったです。安部譲二がやっぱりカッコいい。

■フィッツジェラルド「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
ブラピで映画にもなったアレ。映画見てないけど、たぶん全然違うでしょう…別に恋愛モノでもないしさして感動もしないです(笑)
生まれたとき老人で、徐々に若返って行く運命を背負った男の一生。
これってめちゃ怖い設定だと思うんだけど、原作はとても淡々としていた。おとぎ話というか寓話的。
もっとシリアスだったら、アルジャーノンに花束をみたくなったんだろうな。徐々に若返るでも、歳を取るでも、人生の輝かしい時期は同じだけの長さでしかないよね。

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キップをなくして、チッチと子

2010.11.18 Thursday 00:00

 小説2冊。何れもライト。

■池澤夏樹「キップをなくして」
都内のJRでキップをなくした小学校高学年の主人公が、東京駅に住む「駅の子」のひとりになって、夏休みまでを過ごすって話。
東京駅の秘密の場所に駅の子が住んでるとか、電車乗り放題とか、キオスクでお菓子食べ放題とか、駅弁全部ただとか、小中学生ぐらいならきっとわくわくする本。子供の頃の一人で電車に乗った時のどきわく感を思い出す。中学生はこれで読感文書くといい。
池澤夏樹の子供への生死感のメッセージでもありますな。
ほぼ児童文学に近いけど、大人が読むとノスタルジックで面白いと思います。

■石田衣良「チッチと子」
売れない小説家の父と子のスローライフ的な。
売れない作家が主役。デビュー作(池袋ウエストゲートパーク)でガツンと売れて、それから売れっ子作家の道をひた走るイラたんなので、自伝的要素はないんだろうけど、やっぱりちょっと重ねちゃいますね。
そして作家にとって、直木賞がどれほどの意味が有るものなのかが生々しく解る。2ちゃんを読んで落ち込んだりとか、ナイーブで必死な作家の生態がけっこうリアルでしたな。若い女にモテ捲くるのはやはり衣良節というか。
この人の本は本当にソツがない。良くも悪くも。ほわっと和むし、硬い本はちょっとって時に読むといいかも。
(ちなみにイギリス旅行中に読みました)

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リンダリンダラバーソウル、バンギャル・ア・ゴーゴー

2010.11.03 Wednesday 00:00

 読書日記。
最近また図書館を利用して、色々読んでいるので小分けに。
まずバンドっぽい感じで2つ。

■リンダリンダラバーソール/大槻ケンヂ
バンドブーム時代のオーケンの自伝小説。ブームの走りで筋少がどうやって売れて行くか、バンドブームがどう終焉していくかが生々しい。イカ天時代が解る人には絶対にノスタルジックに面白いはず!
私はイカ天には微妙に遅い世代なんだけど、おぼろげに解って懐かしかった。カブキロックスって有ったねえ…。
ほんと、バンドブームの頃から残っているバンドってもう貴重ですよね。頑張って欲しい。
最後のほうの、長年の彼女とのくだりは切なくて泣けます。ラストシーンの粋さは、流石はオーケンって感じ。

■バンギャル・ア・ゴーゴー/雨宮処凛
オーケン自伝が面白かったので、同じようなバンドものを。これも雨宮処凛の自伝的フィクション。ビジュアル系バンドのバンギャル中学生の転落人生(………)
こちらはビジュアル系バンドブームの時代。私はどっちかって言うとこっちの世代ですな。当時からV系に全く興味ないけど(笑
高校時代はV系のおっかけをしている友人がたくさんいて、彼女らの事を懐かしく思い出しました。
今は無き大人気バンドのVoのファンで、ファック隊にはなりたくないけど近づきたくて、同バンドのギターの東京妻に色々相談してるって言ってた子のこととか(超可愛い子だったなあ)。当時はよく噂聞いたけど、今はV系でもファック隊ってないの?
人気V系バンドがインディーズだった頃、ライブの打ち上げにいつも参加していてた追っかけの二人組みとか。好きなメンバーの目撃情報があると千葉から渋谷まで終電で駆けつけたりしてたなあ…。
ライブで盛り上がってくるといつもトップレスになる子とか。彼女はFカップだったよ。
大阪遠征で高速バスつかう時、私がいつもカロリーメイトを差し入れていた子とか。彼女はメンバーの女に間違われてファンに嫌がらせされてたなあ。
紅い髪の彼が亡くなった時、築地本願寺までお葬式に行ってた子とか。
…ホントに身近に多かったなーV系ファン。お陰で一曲も聴いたことないのにV系に意外と詳しかった、私。
そんな事を懐かしく思い出しながら読みました。

オーケン自伝もそうだけど、ライブやインディーズ好きならライブハウスの感じとかファンの(限りなく無駄な)駆け引きとか、何となくリアルで面白いと思う。バンドマンとやりたい系のバンギャにより過ぎだけどね。しかも長いのでけっこう気合がいりますな。
でも10代後半の揺れ動く自意識過剰なめんどくさい感じがすごく良かった。最後の祭りが終わって行く寂しさもよく解る。バンド好きな人にはお勧め。

ちなみに私が高校の時に好きだった邦楽は、米米と田島貴男とYellowMonkey(かろうじてVに近い?)と宇崎竜堂でした。あは。

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空飛ぶタイヤ

2007.06.22 Friday 22:49

池井戸潤「空飛ぶタイヤ」読了。
はじまりはひとつの自動車事故。タイヤの脱輪で死傷事件を起こしてしまった中小運送会社は、過失致死で起訴寸前に追い込まれる。事故原因は整備不良――果たしてそれは真実か?みたいな話。

す、すごい面白かった…!!今のところ今年一番の出会いです。とはいえ今年は全然読書してないんだけどさ。
これは三菱自動車+ふそうのリコール隠し事件を題材にした経済小説で、訴えられないのか…?と心配になるぐらいにあからさまに三菱グループをモデルにしています。(作中ではホープ自動車)
整備不良の濡れ衣を着せられた運送会社社長が果敢に超巨大企業に挑む、と言うのが大筋なんだけど、ホープ内の派閥争やグループ会社との関係、銀行の駆け引きなんかが生々しくて、非常にわくわくしました。池井戸さんは三菱銀行の出身らしい。なるほど…。
話には勧善懲悪・難波節。さりげにホロリとしてみたり。
モデルがあるだけに最初からオチは解ってるんだけど、一気に読めてしまう。ニ段組500P以上と言う厚さも全く苦にならない。久々に読書で夜更かししてしまいました。

最近、売れてる本はこじんまりと纏まったゆるい和み系小説が多くて、私も元々純文学が好きだしわりとそういう本を読みがちなんだけど、久々に娯楽エンタテイメントここにあり!みたいな小説を読みました。読書の楽しさを堪能できるオススメの一冊!

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ワーキングガール・ウォーズ

2007.05.22 Tuesday 23:24

新潮ケータイ文庫で、携帯電話でこつこつと半年ぐらい掛けて読みました。や、やっと終わった。嬉しい。

大手音楽メーカーに勤める30半ばの中間管理職女性を軸に、寂しくても辛くても一人ぼっちでも仕事を続ける女性を描く。って感じですかな。
柴田よしきはRICOシリーズを一冊読んで、あんまり好きじゃないなーと思ったのでそれ以来手を出していなかったんですが、これは割と面白かったです。

元々推理小説ジャンルの人だと思うんだけど、今回の小説ではほんのちょっぴりそんなテイストも交えつつも、基本は働く女の人の悩みや苦労、でも負けずに頑張って行く様が描かれてて好感が持てました。私も現役OLなんで、会社の描写なんかは「あるある!!」と共感しつつ。
主人公の恋は気になるところだったけれど、この中途半端さが良いのかも。
しかし男性は面白いと思うかどうか謎ですな。

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読書記録

2006.08.07 Monday 00:15

*私は会社で漫画部に入部(イメージです)しているため、最近同僚に借りた漫画ばっかり読んでいたんだけど、ここのところまた本も読むようにしています。
と言うわけで久々に、最近(つーてもここ4ヶ月ぐらい)読んだ本&漫画など。

■小川洋子「博士の愛した数式」
第一回本屋大賞に輝き、映画化なんかもされたプチ理系小説。
80分しか記憶のもたない数学者の家に派遣された家政婦、その息子と、「博士」の心温まる、ちょっと切ない交流。

私が読んだときにはすでに映画化していたので、主人公のイメージはすっかり深津絵里でした。
ひそやかで繊細で美しい話でした。いたわりあっている感じがとても心地よいというか。でも根本的に切ない話だよね。

■小川洋子「薬指の標本」
きのこ、楽譜、火傷…持ち込まれる様々な品物の標本を作る「標本室」。事務を務める主人公は、奇妙な魅力を持つ標本技師とのひそやかな恋に落ちてゆく。みたいな話?

フランスで映画化される模様。ちょっとオカルト的な怖さを持つ、湿度の高い話でした。そしてさりげなくエロティック。川端康成を思い出した。ほめすぎ??

■角田光代「空中庭園」
ダンチに住む平凡な家族。「隠し事はなし」がモットーの、一見幸せに見える家族一人ひとりの秘密を描く連作小説。

家族それぞれの視点で連作を描くと言えば、最近では「星々の船」なんかもそうでしたけど、流行ってるんでしょうか。
この手法は、私は福永武彦の「忘却の河」のイメージが強いので、ついそれと比較してしまうんだけど…(そしてそうすると全てがつたなく思えるんだけど)
でも面白かったです。角田光代も初読でした。
明るい家族の、ひそやかな絶望感が重苦しい、けっこう救いようが無い話でしたな。語り口はかなーりライト。

■鈴木おさむ「ブスに恋して」
ドラマを見てたんで、同僚に原作を借りてみました。
放送作家と芸人の結婚生活エッセイ。
お似合い夫婦だな…という感想。ぜんぜんドラマの原作ではないですな。
幸せそうで素敵なカップルだと思いましたです。

■津田雅美「彼氏彼女の事情」
隣の席の同僚が貸してくれました。
高校生青春漫画どす。この歳になると逆に高校生マンガ新鮮ですね!
優等生カップルのトラウマ交えの恋愛ものなんだけど、全21巻の長編ながら、意外と中だるみがなくてよかったです。サブキャラのサイドストーリーの比率が高いからかも。
高校生に戻りたくなりました。一瞬ね。

■高屋奈月「フルーツバスケット」
これまた高校生もの少女マンガ。いかにも花ゆめ系漫画っぽく、美形男子まんさいのファンタジー漫画でした。
十二支に変身する宿命を背負った一族の話。荒唐無稽な設定なんだけど、わたくしついうっかり泣いてしまいました…絵も下手なのに…。
ピュアな心で読んでくだされ。面白いです。

■伊坂幸太郎「魔王」
他人に思ったとおりのことを話させることができる能力を持った男が、独裁政治家に戦いを挑む、みたいな話?
正直つまらんかった。新発想で小説を書こうとするのはいいんだけど…。

■伊坂幸太郎「死神の精度」
死神の日常日記。(………)
一応直木賞候補に挙がってたけど、私は今ひとつでした。
うーん…。

■舞王城太郎「好き好き大好き超愛してる」
初・舞城王太郎です。面白かった!!
ちょっと見ライトノベルみたいな口語体?の語り口で面食らったけど、ひそかに私は泣けました。
一応闘病ものというか、恋人が病気になってしまう話なので「セカチューに対抗した小説」なんていわれているみたいだけど、比較にならないぐらい高度な恋愛小説だと思いました。 さりげなくまじっているSFパートの、アダムとイブの話がとってもよい。

■舞王城太郎「みんな元気。」
舞王二作目。飛ぶことの出来る少女と、その家族の物語(はしょりすぎ)
舞王テイスト満載のライトSF?けっこう癒し系でした。
SFというかファンタジーと言うか。解説は0だし、駄目な人は駄目かも。
私は面白かったです。

■石田衣良「池袋ウエストゲートパーク紅深殺クラブ」
いつもの通り、池袋のトラブルシューター・マコト、ストリートの王様タカシ、ヤクザ若衆のサルなどなど常連メンバーが活躍するシリーズ。今回のメインはネットの自殺サイトネタ。

ややマンネリ感。でもこのシリーズは基本的、キャラ萌え小説だと思うので私はマンネリでもいいのです。キングがかっこいいだけで満足(原作キング派なのです。ドラマの窪塚もよかったけどね)
自殺サイト、早稲田のスー●ーフリーなど、実話をモチーフにしたIFものが多いけど、なんかあっけらかんとしているのでそれ程恥ずかしさも無かった。石田衣良っていつもそうですが。

■乙一「暗いところで待ち合わせ」
駅のホームから男が突き落とされた日から、目が見えないミチルの家には他人の気配がするようになった。奇妙な同居生活。

乙一初読。面白かった!実際、視覚障害の人はもっと敏感に気づくのでは…とは思ったけど、奇妙に和む話でした。
でも、あえてミステリーにする必要はないのでは。わざわざエンタメにしなくても、純文学的にいい話になりそうなのになー。

■奥田 英朗「イン・ザ・プール」
奇妙な精神科医伊良部の元にやってくる、ある意味不幸な患者の症例短編集。

直木賞を取った「空中ブランコ」の伊良部シリーズ。奥田英朗も初読。
そんなに古い作品じゃないのに、なぜか古めかしい感じがした。出版社の話とか出てくるんだけど、「版下が…」とか「地図に文字を貼り付けて・・・」とかいう描写が激しく違和感。今時DTPでしょ…。でもまあ面白かったです。クセのある登場人物ばかりなので感情移入しづらいですが。

なんかまだ色々読んだ気がするけどとりあえずメモ。


■とりあえず上記の中でのオススメ二冊。
暗いところで待ち合わせ
乙一

好き好き大好き超愛してる。
舞城 王太郎

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土の中の子供

2005.08.08 Monday 00:14

第133回(だったかな?)芥川賞受賞「土の中の子供」読了。
なんだか母が買ってきたので、私も読んでみました。

内容は…エート…。
27歳、タクシー運転手の主人公は親に捨てられ、引き取り先で暴力に耐える子供時代を送った。その彼の無気力ライフ日記(信じないように)。
以下ネタバレ感想。

これが芥川賞なのか…。というのが最初に思った感想でした。まあ芥川賞にいまさら何の期待もしていないぜと思いつつも、やっぱり一応期待して受賞作はチェックしてしまう私も私なんですが。
これをして「THE純文学なり!」ということで、この小説が芥川賞となったのかなあ。だとすれば、そりゃ純文学は売れないよなーという感じ。
テーマは幼児虐待と、そこからの再生?なのかなあ。私はこの人の単調な文章が非常に気になって仕方がなかったです。読点のパターンがいっつも一緒でつらい。淡々とした効果を狙っていたのかもしれないけど、寝そうになってしまいました。まあそんな事は個人の好みの問題だと思うから、どうでも良いんですけどね。
なんかこう、非常に「頭の中だけで書いてる小説」という感じがしてしまったのです。小説って基本的に皆頭の中だけで書いているとは思うんだけど…なんというか、リアリティが感じられないっていうか。
特に、主人公の恋人(名前が白湯子ってところがもう私は駄目でした。中国人かと最初思いました=パイ・なんとかみたいな)がぜんぜんリアリティ感じなくて、水商売臭もアル中臭もないし、人物に説得力がない。だから何を言ってても私には響いてこなかったのです。
作者も27歳だそうで、この世代に(って私もだけど)特徴的な無気力感、閉塞感が息苦しくてうっとうしかった。あとこの世代の無気力小説っていうのも、なんだかあまりにもありがちなような気がするんですよね。その部分に共感する人もいるんだろうけど、私にはさっぱり出来なかったなあ。
そもそも幼児虐待ものって手垢がつきすぎているので、それを小説として読ませるのは難しいのかなと思いました。シリアスな問題ではあるんですが…。
表題作よりも、一緒に収録されている「蜘蛛の何とか」(・・・)の方が私は面白く読めました。ニート小説って感じ。

しかし芥川賞といえば、村上龍や池澤夏樹、それに中上健次なんかが取った名誉ある賞なんだから、もうちょっと考えて選考して欲しいです。本を売るための賞な訳だから、今後も売れる力のある人にあげて欲しい。でないとせっかくとっても本が売れないって!


■今日読んだ本■
「日経ビジネス」
青山剛昌「名探偵コナン49巻」

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海辺のカフカと村上春樹

2005.08.01 Monday 23:17

海辺のカフカ (上)
海辺のカフカ (上)
村上 春樹

村上春樹「海辺のカフカ」読了。

少年は自分の名前を「田村カフカ」に変え、15歳の誕生日に家を出た。中野区に住む猫探し名人ナカタさんも、時を同じくして不思議なトラブルへ巻き込まれてゆく。みたいな話(ええ?)

久々に村上春樹を読みました。文庫で上下巻。会社の先輩に借りたんだけど、結構面白かったです。村上春樹の中ではかなり解りやすいんじゃないかな?
THE・村上春樹!!という感じで、春樹節が好きな人なら「お帰り!待ってたよ!」と思うような本だと思いますが、あんまり好きじゃない人は「またかよ」とか「なんだこりゃ」とかいう感想を持つんじゃないでしょうか。私は、うーん。中間っていう感じかなあ…。

私がそもそも村上春樹の本とであったのは、10代の初めぐらいに読んだ「遠い太鼓」というエッセイでした。低めテンションで語られる外国生活のあれこれに、当時微妙にアンニュイだった私は非常に嵌ったようなおぼろげな記憶が。素晴らしい!と絶賛しているわけでは全然ないんだけど、いかにも異国な街の情景や、穏やかに過ぎてゆく(いや、本当はそうでもないんだろうけど…)作者の生活の語り口が非常に心地よい本です。
そのあと「ノルウェイの森」を読んで「ぜんぜん面白くない」と思い(思えばこの本を読むには若すぎたのかもしれませぬ)、懲りずにその後「羊をめぐる冒険」を読んで自分の中で大ブレイクしたんでした。
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「回転木馬のデットヒート」「ダンス・ダンス・ダンス」etc…と、あらかた読みつぶしていったんですが、このあたりでなんだかだんだん飽きてきました。
村上春樹という作家、というか純文学系といわれる作家の多くはそうかもしれないんですけど、自分のために小説を書いている人なんだなあ…としみじみ思いはじめました。
そのせいか解りませんがなんとなく、作品のトーンというかエンディングとかが、ちょっと似たような感じに思え…。それが自分にフィットしている時は嵌るんだけど、ずれてしまうと中々入っていけないって言うか。

で、そんな中評価の高い「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読んで、あの小説の世界の出口のなさ(いや、出口はあると言えばあるんだけど…うーん)が非常に辛く、ものすごーく脱力してしまい、それっきり春樹作品は読んでいませんでした。
今回の「海辺のカフカ」もそれほど読む気はなかったんだけど、たまたまタイミングが合ったので久しぶりに春樹文学に挑戦してみました。

で、その「海辺のカフカ」。
たとえば母子愛(??)とか、あまり村上春樹がモチーフにしなかったテーマが出てきますが、作品のトーンはいつもと一緒。この低めゆるめの感覚はやっぱり心地良いですね。
こんな15歳は世界のどこにもいなくて、大人の生み出した15歳なんだけど、でもきっとこんな風になりたい15歳(というか10代)はこの本を読んでたくさん生まれたんだろうなあ、と思いました。私も図書館で生活したいな〜。
そして今回なんだか、未消化なエピソードがたくさんあったような気がするんだけど、村上春樹という人にはなぜか「そんな気がするのは、私の読みが足りないせい?」とか思わせる何かがありますな。それが良いのか悪いのかはともかく…。

色々ずらずら書いたけど、「遠い太鼓」を読み返そうかな〜と思ったので、やっぱり面白かったんだと思います(あいまいな!!)


■今日読んだ本■
村上春樹「海辺のカフカ」
寺山修司「ポケットに名言を」

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はみだしっ子

2005.07.21 Thursday 10:19

*最近会社の同僚に「はみだしっ子」を貸していて、そのついでに私も久しぶりに読み返したりしています。
はみだしっ子とは、4人の家出(?)少年が、世知辛い世間に耐えながら健気に生きていく物語です。
・・・・・・。
いや。嘘です。たくましく生きて行く・・・したたかに生きて行く・・・・・・。
ま、とにかく4人の少年の物語なことは確かです。
この漫画、私は大学生のころに初めて読んだんですが、かなり嵌りました。
国文を学ぶ学生らしく(?)ひねくれた大学生だったので、この漫画の理屈っぽさやロジカルな部分に非常に嵌ったのです。このたび再読して、この漫画の中の思想は、かなり当時の私のものの考え方に影響を及ぼしていたんだな〜と思い出しました。
当時すでに作者の三原順さんは亡くなっていて、それがこのただでさえ切ない話が余計に切ないものに感じられたんでした。
はみだしっ子、というか三原順さんのファンは熱狂的な人が多いとか言われているらしいけど、それもよく解る。このストイックな、内省的な(そして非常に理屈っぽい)雰囲気は他の漫画では出会ったことがない種類のものです。
駄目な人は絶対に駄目(だいたい漫画とは思えないぐらい文字が多い)だろうけど、嵌った人にはもれなく宝物になる漫画だと思います。
私にとっても、もちろん宝物なのです。
はみだしっ子 (第1巻)
はみだしっ子 (第1巻)
三原 順


■今日読んだ本■
「DO! something 夏号」
「日経ビジネス」
「広告批評」
村上春樹「海辺のカフカ」

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ダヴィンチ・コード

2005.06.03 Friday 23:35

ダ・ヴィンチ・コード (上)

ダン・ブラウン「ダヴィンチ・コード」読了。
アメリカの超ベストセラー小説をやっと読み終わりました。
かなり長かったけど、読みやすいのでサクサクと進む感じ。私の場合は仕事帰りの電車の中でしか読んでいなかったので結構かかってしまいましたが・・・。

閉館後のルーブル美術館で起きた殺人事件をきっかけに、秘密組織によって長年守られてきた聖杯の謎を追う事になる主人公。さまざまな暗号、アナグラム、高度な謎解きによって少しずつキリストの秘密が明らかになってゆく・・・みたいな話。以下ややネタバレ。

正直、キリスト教に詳しくないとなかなか難しい所が多かった気がしました。詳しくないと…っていうより興味がないと、って感じかな。美術にも興味がないと辛いかも。しかし内容はとってもエンターテイメントで、けして難解な話ではないのでノってしまえば一気にいけるんじゃないでしょうか。
設定のリアリティについて批判もあるらしいけど、真偽は私は解りませんがフィクションとして十分説得力があってすごく面白かったです。なるほど!と、新しいキリスト教の側面を垣間見た感じ。
犯人探しのミステリーとしては「ええー?」と思う部分もあったんだけど、やっぱりこのキリスト&聖杯についての謎解きが素晴らしく良くできてました。
ルーブル美術館へ行った事がある方はぜひぜひ読むべき。二倍楽しめると思います。

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